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基軸通貨とハードカレンシー(Hard Currency)

世界には多くの通貨が存在しており、その種類は180を超えるといわれている。かつては物々交換が主流であった。物々交換の場合、その価値が必ずしもつりあっているとは言えない事も、しばしばあった。また相手の物品が欲しくないときは交渉が成立しない事もあり、利便性や流動性に問題があった。その後、「物品交換」が主流となってくる。これは、価値が下がりにくいもの(貝、金、塩、布等)と欲しいものを交換する方法で、欲しくないものと交換しなくても良いといったメリットがあった。しかしこれも物によっては簡単に手に入る事もある一方で、なかなか手に入りにくい物もあったりと、問題がある。その為、統一的な基準で物品やサービスの価値を測れる「ものさし」として「通貨(Currency)」が登場した。通貨(Currency)が登場した事で、物の価値がある程度、安定して測れるようになったのだ。

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通貨の分類として、基軸通貨、ハードカレンシー、ソフトカレンシーに分けて考える事が出来る。

【基軸通貨とは?】

基軸通貨といえる通貨:米ドル

基軸通貨(Key currency)と認められる為には、概ね以下の条件を満たす事が求められる。

①通貨の価値変動が少なく、安定している事

②他国との対外的な取引が行いやすい事

③いつでも多様な物品、産物と交換出来る事

④為替市場や金融市場が発展している事

⑤他国より圧倒的優位性を保持している事

これまではイギリスポンドが基軸通貨の役割を担ってきたが、次第に米国の軍事的優位性や経済力が強大となってくるにつれて、基軸通貨は米ドルとなった。世界中の国で行われる取引の多くは基軸通貨である米ドルによって行われる事が多い。通貨価値が安定しており、ある程度、信用がある通貨でなければ、為替変動や地政学的リスク等を負わなければならず、価値の保全が難しいからだ。

【ハードカレンシーとは?】

ハードカレンシーといえる通貨:米ドル、ユーロ、日本円、イギリスポンド、スイスフラン

他国との取引において、ある程度の信用がある国の通貨で、内的、外的要因による為替の変動が少ないとみなされている通貨の事。具体的には、

①取引に必要な十分な流通量がある

②発行している国が安定した政治体制であり信用もある

③多くの国の金融機関で取り扱いがあり、容易に換金可能

これらの通貨はよほどの事が無い限り、無価値になる可能性が低い為、日本円以外での通貨として一部保有しておくのも面白い。

【ソフトカレンシーとは?】

ソフトカレンシーといえる通貨:ハードカレンシー以外の通貨すべて

ソフトカレンシーは、他国との取引で使用される事は、ほとんど無い。その為、ソフトカレンシーの通貨を使用している国は、対外取引を行う為にハードカレンシーの国の通貨が必要となる。すなわち外貨が必要なのだ。

【ローカルカレンシー】

発行国の国内でのみ流通する通貨で、その国内でのみ価値が保全されている。

【外貨を用意する為には?(日本の場合)】

政府及び日本銀行は民間の銀行や証券会社等から政府短期証券を発行し、元手となるお金を準備しておく。その多くが米ドル建てとなっているが、内容としては米国債がメインとなっている。その他、ユーロ建ての資産や「金」も保有している。

【個人でもハードカレンシーを保有すべき?】

人による。例えば海外旅行が好きな方であれば、米ドルやユーロ等をある程度保有しておくと、行先で日本円が両替出来ない時や、ATMからキャッシング、あるいはデビットカードでの引き出しが出来ない時等に、助かる事があるだろう。また仕事で海外に行く予定がある人も多少、保有しておくのも良いだろう。

【外貨を保有すべきか?】

多くの人にとっては、通貨に関しては日本円だけの保有でも問題無いと考える。なぜならば、日本円自体がハードカレンシーであるからだ。今後については分からないが、これまでは、金融危機や世界的な有事の際は、日本円は対米ドルや他国の通貨に対して円高となる事が多かった。その為、他国の通貨に換えておくと、逆に損をこうむる可能性がある。ゆえに「保有する通貨」に関しては、海外に出かける予定がある人以外は不必要なのでは?と考える。

【外貨建て資産は保有すべきか?】

外貨建て資産に関しては保有すべきと考える。日本で暮らす以上、どうしてもカントリーリスクを負う事になる。

日本には地震、津波、土砂崩れ、台風、洪水等の自然災害のリスクは常に高く、原発リスクも負っている。周辺国によるリスクもあれば、少子高齢化社会による人口減少リスクもある。これらのリスクによって、今後、日本円の価値が外貨と比較して低下してくる可能性がある。その時に、外貨建て資産を保有しておけば、ある程度、資産の保全が可能だからだ。

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【まとめ】

日本は長年にわたるデフレを経験し、物の値段が上がらない事に慣れてしまっている。加えてバブル崩壊に伴い、投資に対する不信感が強く、現金信仰も根強い。だがしかし、これからはそうはならないだろう。なぜならば、確実にこれまでとは違うステージにはいってきているからだ。世界的な人口増加、食料の不足、様々な国が抱える地政学的リスク、水不足、地球温暖化などの環境問題、生態系の変化、日本が抱える少子高齢化による若者の負担増・高齢者の年金減少、物価高騰・・・多くの問題が山積するなか、確実に日本にもインフレ時代が到来するだろう。そしてインフレに対する備えも必須となってくる。基軸通貨、ハードカレンシー、ソフトカレンシーの違いをしっかりと理解するとともに、今後に備えた個々の対策をしっかりと計画しておきたいところだ。

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【さいごに】

記事の内容は、著者個人の見解である為、著者の理解不足やうっかりさん等によって事実と異なる記載が生じる可能性がある。その為、記事の内容によって生じた損害に対して、一切の責任を負えない事をお伝えする。実際に外貨交換を行う場合は、ご自身での判断・責任において行っていただく事をご了承いただきたい。


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