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円安は大丈夫か?

空前絶後の通貨安となっている。各国が紙幣(紙切れ)をジャブジャブに刷っている為、相対的に物価高となっている。勿論、戦争や疫病、各国の政策金利の上昇も要因だ。そして「異次元の金融緩和」という意味不明の金融政策を異次元の長期に亘って行ってきたジャパンは空前絶後の円安が加速し、物価高騰で国民の生活を圧迫している。本来、通常とは異なる金融政策を行う場合、一定期間を設けて行い、その後、その金融政策が正しいかどうか検証を行う。そして修正や金融政策の変更を行うか否かの判断をするものであるが、「失われた30年」という言葉を聞いて久しいが、失われた「柔軟性」によりジャパンは迷走を続けている。このまま円安が加速していくのか、どうなのか。円安と円高、どっちが好ましいのか。また円安が加速した場合、日本経済にどのような影響を与える事になるのかを考える。

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円安はスピード違反!?

発端は主に欧米からだ。長引くパンデミックから人々は外出を控えるようになった。外食産業や旅行関連会社、宿泊、遊興施設等の収益が激減した。逆に「巣ごもり消費関連」に関しては需要が増大。デリバリーやネットビジネス、ホームセンター等に注目が集まった。長引く不況を警戒した各国の中央銀行は金利を引き下げ、失業給付に上乗せを行う景気刺激策や日本のような定額給付を行った。大規模な家計への直接的な現金給付を行った事により各国の財政赤字は急拡大した。

参照:IMF

市場に出回るお金が増えた事に加えてパンデミックの終息に伴い、人々は旅行や外食、体験にお金を使うようになった。それに伴い各国では急速な消費や投資の拡大が起こった。

需要の急拡大や紙幣価値の低下により物価上昇が拡大。世界ではインフレの拡大に悩まされる事になる。欧米各国はインフレの抑制を目指し、続々と政策金利の引き上げを行った。他方、日本やではインフレは限定的であった事に加えて、経済も長期にわたって低迷していた為、マイナス金利という意味不明の金融政策を行っていた。

これにより日米、日欧では金利差が拡大する事となる。お金を預ける時に人々は少しでも金利が高い方に預ける。他方でお金を借りる時は少しでも金利が低い方から借りるのが一般的だ。その為、相対的に金利が高い米ドル等の外貨や外貨建て資産への資金移動が起こっていったと想定される。

日本と他国との金利差が大きくなればなるほど、円安は加速する事となる。昨今のグローバル社会では世界のサプライチェーンは繋がっている事もあり、日本も影響を受ける事になる。事実、足元では日本の消費者物価指数が上昇してきている。

参照:総務省統計局「消費者物価指数」 欧米の物価上昇率はすさまじい

日本は島国であり、円安が加速していくと当然ながら輸入物価の上昇にみまわれる事になる。輸入品の中には燃料も含まれており、ガソリンも高騰する。ガソリンが高騰すれば、輸送費も高騰し、結果として全ての輸入品価格および、国産品も高騰する。

エコノミストがこぞって主張する内容の中に、「自動車等の輸出品」は価格が下がるから、円安局面では有利だとの指摘があるが、本当にそうだろうか。

昨今の企業は製造工場を現地生産に切り替えてきている。それは円高が長く続いた事が主な要因だ。現地生産であれば、安いコストで安い人件費を使って商品を製造出来るからだ。また米国等の自国国益優先政策を行っている国に対しては、相手国の雇用の創出や相手国との貿易摩擦の低減に繋がる意味合いもある為、メリットが大きい。それを今さら国内工場にシフトするだろうか?仮に国内工場にシフトするとしても長い年月を要するのではないだろうか。それまでの間、はたしてこの円安が継続するだろうか?はなはだ疑問だ。

<円高か?円安か?>

個人的には日本にとっては円高の方が望ましいと考える。なぜならば日本は他国と比較して石油や鉄等の資源が少なく、原材料を輸入して加工した商品を売る事で利益を得ているからだ。円安になると輸入物価が高くなり、仕入れコストの高騰につながる。安い商品を売るのではなく、高付加価値商品やサービスを創出し、利益率の高い商品、サービスに特化すべきだと考える。いくら価格が高くても、それに見合う魅力がある商品、サービスであれば必ず需要はあると考えるからだ。

また稼いだ資金を用いて海外の企業の買収を行えば、海外での利益を得る事が出来る。それはすなわち、外貨を獲得し、為替リスクの低減に繋がる上、日本の影響力を高める事になる。

円高は悪くないっ!!

<円安Forever?>

現在は空前絶後の円安が継続しているが、これはこの先もずっと続くのか?個人的な見解ではあるが、答えは「NO」だと思われる。現在の欧米の金利はインフレの抑制とともに、引き下げが起こる事が見込まれている事に加え、日銀もマイナス金利の解除や国債買い入れ額の減少を決定している為だ。今後は日本と他国との金利差の縮小が見込まれる事もあり、短期的には円高方向へ向かう可能性があるからだ。

<為替政策>

現在の状態はまともではないが、大事な事は此度の教訓をしっかりと活かす事だ。間違った金融政策を行うと、政府債務が拡大し、その穴埋めを行う為に国民負担の増大につながる。たまに「日本国債を大量に発行して国民に配ればよい」という考えをしている人がいるが、よく考えて欲しい。貨幣価値は相対的に決まる。日本円が他国の通貨と比較して大量に印刷される事になれば相対的に日本円の価値は希釈し、為替は大幅な円安になるだろう。それは国民生活を苦しめる事に直結する。

金融政策は重要だ。それと同時に為替政策も重要だ。いつパンデミックが起こるか分からないから、日ごろから適切な政策金利にしておく必要がある。はじめからゼロ金利ではこれ以上の引き下げが出来ないのだ。また適切な通貨防衛も大事だ。適切なタイミングで通貨防衛を行わないと、トレーダーやヘッジファンドに見透かされて日本円の価値が棄損してしまう。日本では日本円を使って生活している。買い物も日本円で行っている。その日本円が世界の人から欲しがられるような通貨であって欲しいものだ。

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【さいごに】

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